[ S a m p l e ]

[ウッチュンの冒険]
 
宇宙って広いらしい。宇宙で遠い昔ビッグバンっていう大きな爆発があって、宇
宙はそれから始まったんだって。
 
ま、ビッグパンから今までのあいだには、地球が出来たり、恐竜が走り回ったり
していろんなことがあったんだけど、それからそれからずっとたって、ここはと
ある大都市のちかくの こまち町っていうところ。
 
緑がまだ多くて、生き物もいっぱいいてとてもナイスな町なんです。このお話は、
こまち町に住む子供たちキョンちゃんとミーくんのお話です。
 
小学2年生の女の子キョンちゃんは大の宇宙好き、それに焼き立てピザも大好物。
ぽちゃっとしてミニスカートの似合うかわいい女の子。
 
弟のミーくんは小学1年生。まだ小学校に行きはじめたばかりであぶなっかしい。
あまり食べないのでがりがりなんだ。いつもキョンちゃんと手をつないでおたお
たしてる。
 
ふたりは、その夜、ペットの犬パトラッシュの相手をしておりました。パトラッ
シュは長い毛の大きな犬で、二人がなでるといつも優しい目をしてじっとしてい
ます。
 
もう8時だし寝ないといけないんだ。
 
空はサーチライトやネオンサインや光で溢れてる。でも、この町では夜8時にな
ると、テレビ塔の明かりやビルの明かりが消えて空は真っ暗になります。さーっ
っと星たちが現れて、半円の真っ黒な球体の内側にほたるが広がるのです。
 
ねえ。ミーくん。8時だね。。。でもおかしいよ。星が出ないよ。
 
その夜、確かに星がでません。町の明かりは消えたし、お月さまは今日は出てい
ないのに、空は星がなくて真っ黒なのです。それに雲一つ無い、すごいいいお天
気なのに。
 
ひゅーーーん！！
 
何か天上からやって来ます。卵のような不思議な光る銀色の乗り物がすーーっと
山のふもとに流れていきました。
 
ねえちゃん。ハラッパ池のほうに行ったよ。
 
うぅん。おいなり山かも。これはエイリアンとの戦争かもしれないよぉ。
 
ぅわーーん。
 
ミーくん半泣きになりました。
 
気がつくと、空は、いつものように星が広がっていました。
 
こわいよ、ねえちゃん。
 
二人はすごく気になったんだけど、恐いので急いでおふとんに入りました。
 
 
二人のベッドは、2階にある二段ベッド。下がキョンちゃんで上がミーくん。部
屋には天窓っていう空が見える窓があって、そこからは星がきらきらとしてきれ
いです。
 
さっきのはなんだったんだろう。考えたらキョンちゃんは寝られません。
 
くっきり頭の上を飛んでいったあの光る銀色が目に浮かびます。その銀色の乗り
物は、コックピットがあって、なかにだれかいたような。そして、その誰かは、
卵みたいな頭におおきな銀色の目がついていたような。
 
きゃああ。
 
思わずキョンちゃんは悲鳴をあげて布団をあたまからかぶりました。
 
 
(つづく）
 
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